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夢を見ました
一面 真っ白な世界
どこを見ても 雪で覆われた
そんな世界

しん と静まりかえった
音のない 静寂の夢
振り返れば
自分の足跡だけが てんてんと…

誰もいない世界の 唯一の存在
その世界へ足を踏み入れた私は
異物でしかなくて
でも
この静寂に支配された夢からは
去りたくはなかった

一面の白さ
一点の穢れもない 美しさ
触れれば溶けてしまうのに
儚い美しさが支配する この夢を
消し去るなんて できやしない

儚い夢の 姫君か